日本は現在世界でも有数の長寿国となっています。長生きできることは大変喜ばしいことですが、一方では、長生きするほど「介護が必要になる確率」も高まります。長寿社会を安心して生きていくためには、「将来起こり得る介護」も視野に入れた生活設計も考える必要があるのではないでしょうか。そこで、前回に引き続き公的介護保険についてご案内します。
公的介護保険は介護が必要になった時に一定の自己負担額で介護サービスを受けられる保険です。
前回は、公的介護保険の仕組みや、介護サービスを受けるには、どの様な手続きが必要なのかをご案内致しました。
介護サービスには、在宅サービスと施設サービスや地域密着型サービスなどがあります。
在宅サービスは公的介護保険制度の利用者の中心的なサービスなので、ここでは在宅サービスについての費用をご案内します。
在宅サービスを利用した場合の自己負担
『在宅サービスの利用者はサービス費用の1割を自己負担します。
さらに、公的介護保険の支給限度額を超えるサービスを利用した場合の超過分や、公的介護保険に含まれないサービスを利用した場合はその全額を、それぞれ自己負担します。(通所で介護施設を利用する場合は、利用料1割に加えて食費を自己負担します。短期入所で施設を利用する場合は、食費や滞在費の自己負担も必要です。)』
出典元:『介護保障ガイド』生命保険文化センター、平成13年
『もし、自分や家族が要介護状態になったらどのくらいの資金を準備しておけば安心なのか?
生命保険文化センターが実施した調査では「公的介護保険の範囲外の費用」として「どのくらい準備すれば安心か?」を聞いたところ、初期費用の平均は308万円となっています。
また、要介護状態となった場合の月々の必要資金の平均は18万円となっています。
さらに、介護費用はどのくらいの期間準備が必要か?の調査に期間の平均は13年9ヶ月と期間も長期化していることがうかがえます。』
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成21年度
引用元:生命保険文化センター:http://www.jili.or.jp/consul/index.html
わが国は益々高齢化が進んでおり、「介護」は決して他人事ではありません。
突然、介護は家族の日常生活に必要になるかもしれません。今回は、介護に掛かる費用や自己負担額について簡単にご案内しました。
実際に掛かる費用や自己負担の金額は、要介護の程度やケアプランによって変わってきますので、詳しくは市区町村の窓口へご相談ください。
詳細は、生命保険文化センターホームページ(リスクに備える為の生活設計・介護)
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/index.html#nursing