おむすびコラム

玉出は農業の町だった?!

わが町『玉出』は西成区の南部に位置し、下町のイメージでみられることが多いです。実際、大阪祭典の近くには長く入り組んだ玉出商店街があり、北に少し離れますが大阪で二番目に長いとされる鶴見橋商店街、NHKの朝ドラ「ふたりっ子」の舞台となった西天下茶屋商店街など、下町情緒たっぷりな『大阪』の商店街が区内には多いです。
また、歴史も古く12世紀ごろから村が形成されていたそうです。地下鉄四つ橋線玉出駅近くの、生根神社を中心に環濠集落を形成していたと伝えられております。江戸時代?明治期は、天下茶屋界隈から玉出エリアまで集落があり、あたり一帯は豊饒な農業地帯として、南組・北組・天満組のいわゆる大坂三郷に農産食物を供給するという、重要な役割を果たしていたそうです。  

その後、大正?昭和と戦争を挟みながらも、拡大・膨張する大阪市から、木津川沿いの利便性からか、工場などが多く進出してきました。工業地帯の形成から人が多く移り住むようになり、界隈は住宅街として発展してきました。先の環濠集落跡も、一九三○年代初頭にはなくなったそうで、今は面影もありません。  
さて、その生根神社には、「台楽(だいがく)」が現存しております。「台楽」とは農業に欠かせない雨乞い神事に使用された、高さ約20mの柱に提灯を飾り付けた櫓のことです。  

かつては、大阪市南部の神社には「台楽」が多くあったとされていますが、第二次大戦の戦災で焼失してしまい、現存しているのは、ここ玉出の生根神社に保存されている1基のみとなっています。今は大阪府の有形文化財に指定されていて、毎年、7月24日?25日にかけておこなわれる夏祭りの2日間だけ公開されています。今年の夏祭り、是非、覗きに来ては如何でしょうか?


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