通称「木津の大国さん」
この神社の特徴は、古事記に登場する二人の神様が仲良く一つの境内にいらっしゃることです。それぞれに鳥居と社殿があり、一つの境内に二つの神社が存在しています。南の鳥居から望む「敷津松之宮(しきつまつのみや)」には【須佐之男尊(素戔嗚尊/スサノオノミコト)】を祀っています。 そして東の鳥居から通じる社殿には、『狛犬』ならぬ『狛ねずみ』を配し大国主命を祀った「大国主神社」。大きな大国さんが満面の笑みで鎮座されています。 1744年に敷津松之宮の中に摂社として大国主神社が勧請され、歴史は264年と新しいですが、商売繁盛の神として「東は今宮の戎さん、西は木津の大国さん」と親しまれています。
珍しい!?『狛ねずみ』
さて、この二人の祭神、古事記によればその昔、須佐之男尊の娘に大国主命が求婚して射止めたことで義理の親子となったそうで。 そのとき世の父親と同じく求婚の申し出にウンと言わず、須佐之男尊は大国主命に『三難』を示しました。その難行の一つの最中、火に取り囲まれた大国主命に、地下に洞穴があることを教えて救ったのがこの『ねずみ』!と言われています。以後この縁から大国主命の神使(眷属)として仕える身となったのです。 果たして、その『三難』を乗り越え婚姻を成し得た大国主命は、縁結びの神さまと言われるようになった、とのこと・・・。
七福神としての【大国主命】
七福神は独自の徳を持つ七体の神仏で、日本古来の信仰と仏教信仰が絡み合って生まれました。その中央に位置し、出雲大社に祀られるのが・・・『大国主命』。 七福神ではそのオンが同じことから、大黒天と習合し「ダイコクさん」と呼ばれ招福・開運の神様として親しまれています。 境内にも、たくさんの「ダイコクさん」を見ることができますが、圧巻は日本一といわれる「俵上坐像高さ2メートル余・重さ1・7トンの尊厳円満な」木彫神像!古くから大阪七福神の社寺として、また『縁結び』のパワースポットとして、ここ大国主神社には、多くの人がお詣りに訪れています。
さて…『縁結び』の謂われ
先述の通り、自らの結婚に対して難行を乗り越え成し遂げた大国主命。ですが、縁結びの神様と慕われる理由には、もう一つあります。 毎年月、出雲地方に日本全国の神様が集まり婚儀に関する話し合いの場を持つと言われておりまして…。(そのため全国的に 月は神無月と呼ばれますが、出雲地方だけ神有月と呼びます) そのとき大国主命は、日本古来のの八百万の神様の頂点に君臨し、全国各地の婚儀を取り計らうことから『縁結び』の神様と親しまれているのです。 さてさて男女の縁だけでなく、人の世は悉く『縁』のたまもの。衆生の民として悩み抱えつつ、また悩みな くとも「ねずみの大国さん」に感謝と事相の報告にお出かけしてみませんか?