バスの町!鷹のまち?
生命保険に加入している人は、男女共に約80%と高い数字になっています。自分にもしものことがあった場合に、遺される家族の生活に備えるツールとして、生命保険は広く普及しています。相続時には、税制上も非課税枠が設けられており、死亡保険金が相続税の対象となる場合、500万円×法定相続人の数だけ相続税の課税対象から除かれます。ちなみに、相続税にはこの他にも基礎控除が認められているため、実際に課税される家庭は全体の4%程度といわれています。
死亡保険金の受け取り方を考える
死亡保険金の受け取り方には、「一時金式」と「年金式」がありますが、一時金式は、その名の通り保険金が一括して支払われる方法です。この方法は、死亡保険金が相続税の対象になる場合は、上記の相続税の非課税枠を利用することができますが、一挙に大金を手にしてしまうため、生活が変化してしまうと言われることがあります。また、受取人の方が認知症を患っている場合や、知的障がいを持つ場合等には、管理面で不安があります。いっぽう、年金式は死亡保険金を分割して定期的に受け取ることができる方法です。この方法は、生活設計を立てやすいというメリットはありますが、相続税の課税対象となった部分以外の部分は所得税の課税対象となってしまいます。
生命保険信託
2つの方法のうち、どちらが良いかということはできませんが、相続税の非課税枠を利用した上で、死亡保険金の定額給付を可能とするのが、今回ご紹介する信託を活用した方法で、「生命保険信託」というものです。これは、「遺言代用信託」に生命保険をプラスするような形なのですが、基本的な仕組みは難しいものではありません。遺言代用信託は、『ある目的のためにお金を預けて、預けられたお金は安全に管理され、設定した目的のためだけに使われる』というものでしたが、生命保険信託では、お金の部分が死亡保険金に代わるだけです。具体例を挙げると分かりやすいので、以下で生命保険を利用した信託について簡単にご説明します。
保険金を希望通り使うために…
ある男性Aさんは死亡保険金を2000万円とし、生命保険会社Xの保険に加入しています。Aさんは、保険金受取人として妻のBさんを指定しています。生命保険信託では、まず、Aさんと信託会社が信託契約を結びます。信託契約では、死亡保険金の使途を柔軟に設定することができ、例えば、100万円は予め指定した葬儀社でお葬式を挙げて、残りを毎月一定額Bさんに交付するように設定することもできます。保険金の受取人を信託会社とすることで、死亡保険金はAさんが設定した目的に従って適切に管理され、遺されるBさんの生活の安定を図ることができます。
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